売却活動

売れない体験談を読んで、買い手の気持ちになる練習をする

マンションの売却で広告を出したものの、何のリアクションもなく、最初はこういうことかなと、あまり焦っていませんでした。でも、1週間に1回の定期的な連絡はあるのに、興味をもった人がいるという話が来ないんですよね。

最初に広告を出してから、2~3週間は、ノンキでしたけどね。2月に入ってみると、大丈夫かと不安になってきました。

不動産会社の方にも相談してみると、こちらとしても反応が少ないかとは思いますが、3月までは辛抱強く待ったほうがいいでしょう。その間に出来る事がありますので、今から始めてみませんか?と前向きに説明してくれたので安心しました。

具体的に何をしているといいのかというと、これから希望者が出たときには、内覧というのがあるそうです。ウチを見学に来るのですが、いろいろなところを確認していくようなんですね。当然ですよね。

確かに、私も買おうと思ったら、住んだ時のイメージを考えるのに見ておきたいですから。私たちが中古マンションを買った時は、どなたも住んでいない状態だったので、モデルルームのようなものでした。

これから見学に来るということは、この住んでいる状態で見学になりますから、片付けはしましょうってことなんですよ。そう思って部屋の中を見回してみると、生活感が出まくっています。私も、パートを辞める時期に向かっていて父の介護も同時進行になっていますので、キレイにしておく時間があまりなかったんです。

夫婦2人だけなので、小さな子供がいるような乱雑ぶりではありません。

ご実家に転居されるとのことですので、季節家電や大型家具など移動できるものから移してみてはいかがでしょう?また、シーズン物の衣類や布団も同じようにしていると収納が見せられますので、そのほうがいと思います。

家具の後ろには汚れやカビの恐れもありますから時間があるときに掃除をして頂いて、窓も清掃していると部屋が明るく見えて印象がいいですよ。という説明を不動産会社から受けて、結構することがあるのね…と驚きました。

でも、印象がいいと思って貰えれば、売るのも楽になるんでしょうし、ちょっとでも高くなるといいなと思ったんですよ。どちらにしても、実家に荷物は移動させますし、荷物が少ないと引越し代も浮くので、夫とこまめに持って行こうと決めました。

実家の母にも了承を得たので、空いている時間に、ちょっとずつ持っていくようにしました。

売りたい気持ちを出すのではなく、買いたい気持ちを湧き上がらせる

あなたがマンションを売ろうと必死なように、買主もこれから何十年と住むかもしれないマイホームを購入するために真剣です。

立地、価格、間取り、日当たり…あなたが、今売ろうとしているマンションを購入する際に、いろいろ情報収集して、これならと決断したときと同じプロセスを売主さんも踏んでいるわけです。

男性の場合は、ローンの支払額や年数、通勤時間など数字の面が気になるものですが、女性の場合は、そこで暮らすイメージができるかどうかで、物件の評価が変わってくる傾向があります。この部屋にこんな家具を置いて、テラスに家庭菜園を作って…というように、購入後の理想の生活を夢見ながら、物件を見ているわけです。

最終的な購入決定権は奥様が握っているケースも多いので、この点は注意すべきでしょう。中古マンションの場合、住みながら売るケースが多いため、モデルルームのようにはいきませんが、生活感丸出しの状態で内覧を迎えるのは不利になると覚えておいて下さい。

テーブルの上が片付いていなかったり、玄関脇や床に荷物が積み上げてあるようでは、収納力がない家と思われても仕方ありません。また、ここは娘の部屋なので…というように見せない部屋をつくるのも、絶対に避けましょう。

ご自分に置き換えてみればわかると思いますが、きちんと中身を確認しないで、何千万円もの買い物をすることなどできないはずです。ご家族にも協力を願って、買主さんにすべてを開示できる体勢を作っておきましょう。

また、人間の心理として、初めてみるものに対するキズや汚れには敏感でも、毎日使っている物の経年劣化には鈍感になりがちです。そこでお勧めなのは、マンションを売りに出す前に、第三者の目でキズや汚れをチェックしてもらうことです。媒介契約を結んだ不動産屋の担当者でもよいですし、親や親しい友人など遠慮なく意見を言ってくれそうな人に頼むのもよいでしょう。

修繕やリフォームできる点は、内覧者を迎える前に綺麗に直す努力をすべきです。もちろん、大掛かりである必要はありません。中古マンションを売るときにリフォームは必要?でご紹介したような方法でのプチリフォームや専門業者にクリーニングを頼んでみるなどがお勧めです。

費用は10万~20万円程度かかりますが、手元に余裕があるなら、この程度の投資は惜しまないほうが、結果的に早く高くマンションを売却できる可能性が高くなります。

その他の注意点としては、内覧に来た方には気さくに話しかけることです。実際に住んでからの住み心地や暮らしぶりを振り返って、住んだ人でなければわからないメリットをさりげなく内覧者にアピールすると、参考になると喜ばれるでしょう。

ただし、売りたい気持ちを前面に出した営業トークは逆効果なのでご注意を。投げかけら得た質問に対して、丁寧にお答えするような姿勢が好ましいと言えます。間違っても、後ろにピタリとくっついて、あれこれ説明しまくるのは避けて下さい。リラックスして、見学し検討していただくという姿勢が大切です。

マンションの購入申込書を受け取ってからが、売却のスタート

内覧をして、あなたのマンションを気に入ったという場合は、不動産屋を通じて購入申書(買付申込書)が手渡されます。これは、あくまで買いたいという意思を伝える書面に過ぎません。まだ、契約成立まで至っておらず、ここに記入された内容を叩き台として具体的な売買交渉が行われるものと理解して下さい。

では、購入申込書には具体的に何が書いてあるのでしょうか。購入したい物件の概要(マンション名、所在、面積など)や購入希望者の氏名・住所といった基本情報のほか、以下のような買主の希望が記されています。

  • 購入希望価格(売値より安い場合があります)
  • 住宅ローンの利用の有無と金額
  • 契約時の手付金の額
  • 契約締結の希望時期
  • 引渡しの希望時期

冒頭でも述べたとおり、購入申込書をもらった段階では、まだ売れたと安心することはできません。ここに書かれた買主の希望は、価格や引渡しの時期があなたの希望と異なることも考えられます。値下げに応じるのか、時期を考慮できるのかなど、媒介契約を結んでいる不動産屋と相談し、プロの目から適切なアドバイスをもらうようにしましょう。

ただ、これだけは注意して欲しいのは、返事は待たせすぎないということです。考える時間が欲しいという気持ちもわかりますが、買主の立場になってみて下さい。購入申込書を提出してきた時点では、買いたい熱が相当上がっていると考えるべきです。

何千万円もの買い物をする時には、勢いも必要。売主がグズグズして、買主の気持ちのタイミングを逃すと、別の物件に乗り換えられてしまう可能性が高まってしまいます。みすみす売るチャンスを逃さないよう、迅速な決断を心がけましょう。

その他、必ず確認しておきたいのは、住宅ローン利用の場合、ローン審査が通る見込みはあるかという点です。もちろん、ローンの審査を通すのは銀行ですので、確実なところはわかりません。しかし、相手の年収や負債額などがわかれば、ある程度のところは判断できます。

買主のローン審査がすんなり通らなければ、契約締結までに時間を取られますし、最悪、契約の白紙撤回という可能性もあります。そうならないように、売主であるあなたも、しっかり買主を選ぶべきなのです。

もう一つ、住みながら売却をする場合、気になるのは引渡しの時期でしょう。買い替えに際しては、新しい住まいを探す時間の余裕をある程度見込んでおくべきです。最初に決めた引渡し時期を超えると、買主に対する損害賠償が発生しますので、気をつけたい点です。

契約締結は今週末、引渡しは3ヵ月後という設定は可能ですので、気が変わらないうちに契約にまで漕ぎ着け、迅速に買い替え物件を探すという段取りに入るようにしましょう。

購入申込書に対する回答を口頭で買主に伝え、その内容についてお互いに合意すれば、いよいよ売買契約の締結となります。

マンションを売るなら、買主の気持ちを徹底的に考えて、ライフプランを提案する

家を売るには売り方(販売戦略)が重要です。北川景子さん主演のテレビドラマ家売るオンナを見て、そのことを感じた方も多いでしょう。

私に売れない家はありません!と言い放つ、北川景子さん扮する天才的不動産営業ウーマン・三軒家万智(さんげんやまち)。自信たっぷりなところはドクターXの大門未知子ばり。鉄仮面のような硬い表情で人を動かすところは家政婦のミタを思い出します。

まあ、そういうところは置いといて、ここでは、三軒家万智が、どうやって家を売るのか注目しましょう。

3LDK戸建住宅希望の家族に1LDKマンションを売る

家売るオンナ第1話で登場したのは、家探しをしている多忙な女性勤務医。夫も同じ病院に勤める医師です。ふだん、小さな男の子が一人でお留守番。ご飯は、母親が作り置きしているのを電子レンジで温め、たった一人で食べることが多く、寂しい思いをしているという設定です。

リビングイン階段

女性医師の希望は、病院から近くにある戸建の3LDK。子どもと顔を合わせやすいようにリビングイン階段も絶対条件。予算は1億円。当初、不動産会社の担当者が勧めていたのは、病院から車で15分のところにある、1億円の戸建住宅。

広さや設備、価格は希望にかなう物件なのですが、勤務している病院から遠いこと、リビングイン階段がないことから、女性医師は購入に後ろ向き。このとき内見に同行していた三軒家万智は、この女性医師が新しい家に本当に求めているものは何かを見抜きます。

ちょうどそのとき、夫から電話があり、夫婦ともに病院で宿直しなければならないことになってしまいます。子どもが夜一人になってしまうことを心配していた女性医師に対し、三軒家万智が、今夜は私たちが責任を持って子どもを見る、明日の朝、別の物件を紹介するので、夫婦そろって見に来てほしい、と持ち掛けます。

その夜、女性医師の家に子どもをみるために泊まった三軒家万智は、各部屋を見て回ります。

案内した物件は…翌朝、子どもを連れて病院へ行き、夫婦と合流。そして案内したのが、病院から歩いて3分のところにある1LDKのマンションです。

マンション

物件価格5,000万円。1LDKといっても、LDKはかなり広め。実は不動産会社にとっては、なかなか買い手の見つからなかった物件です。マンションに案内された女性医師は、希望していた戸建住宅とは違うので、苦言を呈します。

しかし、中に入ると、女性医師好みの家具が置いてあります。LDKには、食卓や夫婦それぞれ専用のデスクなどが置かれています。寝室には広めのベッドが置いてあります。

女性医師が現在住んでいる家の家具をチェックして、ライフスタイルをイメージしやすいように運び込んでいたのです。子どもの描いた思い出の絵も飾られていました。家に飾っていた絵を持ってきたものです。

ライフスタイルを具体的に提案

食事のときにはコの字に、子どもが真ん中に座るように提案します。子どもが、お父さん・お母さんの顔がよく見えるようにです。子ども部屋は取れませんから、3人が川の字になって寝るように提案します。こうしたことに、日ごろ寂しい思いをしていた子どもは喜びます。

極めつけは、ベランダに出ると夫婦の働く病院がすぐ目の前に見えることです。少し大きな声を出せば話すこともできます。

そして、ビワの木の鉢植え。子どもが大好きだった、おばあさんの思い出の木です。三軒家万智が女性医師の家の庭に生えているビワの木に登り、1本折って持ってきたものです。これで、おばあさんの思い出もずっと一緒です。

夫婦二人とも、いまはこれでいい、子ども部屋が必要になれば引越しすればいいと喜んで、その1LDKの部屋を購入することを決意します。

大切なのは買い手の気持ちに寄り添うこと

テレビドラマの話ですから、家具はどうやって用意したんだと突っ込みたくなるところもあるでしょうが、そんなことは、どうでもいいことです。

家を探している人に寄り添い、その人が本当に求めているものが何なのかをつかむこと、買い手がライフスタイルをイメージしやすいように提案すること、これが不動産会社の営業マンに必要な資質です。そういう営業マンを探すことが、売主にとって決定的に重要なことなのです。